自転車も車も、タイヤの空気はきちんと入っていることが大切。
ですが、ゆるゆるの空気圧にしないと走れない場所があります。
それは砂漠です。
油断すると砂にずっぽりハマります。
舗装されている道路はもちろん問題ないです。
こういうところまでくると、結構危険!
■砂漠を走る時はどのくらい空気を抜いたらいい?
通常の空気圧だと、タイヤが砂に沈んでしまいます。
固くて重い物をサラサラの砂に落とすところを想像してください。
普通の空気圧は、舗装された道路を走ること、つまり地面側も硬いことが前提です。
空気圧を比較すると、ゆるゆる状態のタイヤとなるため、地面との設置面積がその分接地面積が増え、走れるようになります。自転車で空気が抜けていると抵抗が増しますが、その状態を作り出します。
タイヤの協会サイトによると、ある程度固められている路面であれば、通常の6割程度。
砂丘のレベルになると、通常の半分の空気圧まで落とすようです。
これらは車によってベースの空気圧が変わるため、上記はあくまで参考として。
実際に砂漠にタイヤがハマって、干からびかけました。
一緒に飛行機に乗っていた人たちと声を掛け合い、3人で空港のレンタカーを借りました。
国際免許証が必要だったはずですが、交渉したら貸してくれました。
特に車種指定しなかったので、レンタル費用が安かったVolkswagenのセダン。
カタールは日本と逆の右側通行。
ドーハの大きな道路は信号の他に、いわゆるロータリー交差点が多い印象でした。
大通り周辺は徒歩通行する人が少ないので、車が止まらなくても良いロータリー形式はストレスが少なそうです。
街中などを適当に見た私達は、ドーハから南下して、インランドシー (Inland sea)と呼ばれる場所に向かいます。砂漠を見るため&そちらまで道路があるです。
wikipedia カタールのページの地図に矢印加工。ドーハから南下。
未来人の住居か、巨大な逆さま世界にきたような建物は、貯水塔かな?
海に到達です。
超暑い日差しの中、さぞかし気持ちよかろう!と足をつけたら、
海水もけっこうな熱水で暑さがより極まる結果に。
砂丘の向こう側。
干満差で水が残っている箇所もあります。
ここ(のもうちょっとマシな道)を4WDで駆け抜けるツアーがあります。
ここまでは良かった!
実際にスタックしてからは写真など撮影する余裕がなかったので、Youtubeの動画からキャプチャを貼ります。
胃液がせり上がってくる画です!
この状態になると、アクセル踏んでも空回りして、砂の中にもっと沈んでしまいます。
トライしたけど、解決しなかった方法。
☓ タイヤ周りの砂を掘る
→ 掘れない。周囲の砂が流れ込んでくるからです。疲れるし、暑いし、死期を早める可能性が高い。(でも、周囲の砂を掻き出すことは確かに必要なのです)
☓ タイヤの下に何か敷く
→ 板のようなものがあれば敷きたかったですが、そんな物は存在しなかった。砂しかない。
☓ アクセル踏むと同時に車を押す
→ 押す人間の足も砂に沈むので、1~2人で押しても全然パワーが足りないし、暑いです。
最初、スタックした(砂にハマった) 時は、「あらら」ぐらいの感想で、楽観的でしたが、30分、一時間経っても抜けだせず、暑さにボーッとしてきます。
まさか抜け出せないなんて思わないので、ヘラヘラしていましたが、唇がパリパリになり、全員が水を飲み干し、努力する元気もなくなってくると、ようやく「これってもしかして遭難してる?」ということに気づき始めます。
なかなか当事者意識が芽生えないのですが、「もし、このままだったら何日もつんだろう?」と急に怖くなります。
同乗者の方はサハラ砂漠を縦断した経験があって、ボンネットで料理した、とサバイバル経験を語っていたので大変頼りにしていたんですが、「サハラと砂がちがう・・!」と太刀打ちできない様子でした。
■解決方法
○自力脱出の方法
日本語で見つけられませんでしたが、英語やアラビア語でたくさん解説動画がありました。
How to Remove a Stuck Car out of the Sand
1,タイヤの空気抜く
こういう道具で
タイヤの空気圧を下げていきます。
2,ハンドルを左右に振りながらアクセルを踏む
左右に振られることで、タイヤ周りに流れ込む周囲の砂がすこしずつ掻き出されていきます。
だいぶ浮き上がってきたぜ!
やったー!抜け出した!!
そういうわけで、
砂漠に行く人は、タイヤの空気圧調整と、この抜け出しテクニックを覚えておきましょう。
もっと良い解決方法もあります。
◎ GPSをONにして助けを呼ぼう
◎◎ レンタカー、特にセダンで砂漠に行かない
※
私が助かったのは、たまたま日本の石油会社の人がランドクルーザーで通りかかって、助けてくれたから。
ランクルと牽引ロープで接続。セダンのタイヤ空気抜く。タイヤ周辺の砂を掻き出す。同時にアクセル踏む。無事脱出。
本当にありがとうございました。
このポスト自体がおまけのようなものですが、
以下、おまけです。
帰り道にポツンとあった小さな食堂で。
カレー、ピラフ、タンドリーチキン、サラダ。
同じメニューを3人で頼んで、会計20カタール・リヤル(約500-600円程度)
20って、3で割り切れないんだけれども。
ドーハ市内は植物がたくさん植えられています。
花も多く、ハチが花粉を運んでいました。
キャットもいますね。美しい柄!
早朝なので誰もおらず。この道はそっけないですが、大通りはもうちょっとキレイに整備されています。
雑貨屋。ジュースやお菓子なども売っていて、水やコーラは安い。
クリーニング屋さん。トーブばかり並んでいます。
ドーハは海沿いの街。
日中の屋外は出稼ぎ労働者しか、見かけません。
やたらいろんなフォントのまざったレストラン。
オリーブオイルで味付けされた豆と、オリーブ、玉ねぎをピタパンでつまんで食べます。素朴な味付けでこれがうまい!パンは止めないと次々運んできます。(テーブルに直置きで、ポイッと投げ置かれる)
ボートで10分もかからないところに島があります。
渡ってみると、リゾートビーチ感があるのですが、人がいません。
崩壊後の世界に迷い込んだかのような。
服屋さんも多いのですが、出稼ぎ者を対象にしたサリーの店もけっこう見かけました。インド、パキスタンあたりから大量に出稼ぎ者が来ており、専用の入国ゲートすらありました。
夜になるとようやく人影がちらほら。
パン屋さん。
日本だと、夜にこんなに在庫があるパン屋さんは破滅まっしぐらですが、
こちらはまとめ買いに対応できるようになっているようです。
この写真を撮った時はまだ日本製品も多少は息がありました。
車は強いが、家電はすでにLGやSamsonに価格とマーケ力で押されまくっている感じ。
こういうのは、部屋のどこに飾ればしっくりくるんでしょうね。
リニューアル前のドーハ空港から歩いていけるレストラン。トーストの焼き目が面白い。
カルフール。英語が併記されていますね。
お皿やさん。柄のテイストはトルコなどと一緒ですね。
絨毯屋さんは、パキスタン人店員でしたが、だいたい優しくしてくれたのは出稼ぎパキスタン人でした。
ショッピングセンター内のスケートリンク。(吹き抜けになっているので他の階から見える)
巻き込まないか、足元がめっちゃ心配
独特なまきまきビルディング。
交通整理してる方。
螺旋の形状って日本でみかけないので新鮮でした。
ショッピングセンター内のプール。
ビリヤードを楽しむ地元民。
この子たちは、地元の子なのか、移民の子なのか。
トーブをまとってボーリング。
最後にもう一度だけ。
GPS機能があるスマホを持っておこう。
セダンで砂漠に行かないようにしよう。
走ってみたいなら、こういうツアーで!
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