日々、わたしの足つぼマッサージをしている夫が「俺もマッサージ受けたい」と言う。
わたしはマッサージ屋にもちょくちょく行くが、夫は行かない。(行けば良いと思うけど)
「えぇ、もちろんマッサージ受けたいでしょうね、行きましょう」と便乗してわたしもマッサージを受けることにする。
マスジット・ネガラ(マレーシア国立モスク)からGrab乗車→ブキッビンタンへ。
手っ取り早く、ガイドブックに載っていた店の1つに決める。
ここで、きっと今後記憶に残るであろうエンター師に出会う。
LIAN XING
〒55100 Wilayah Persekutuan Kuala Lumpur, Kuala Lumpur, Bukit Bintang, Jalan Bukit Bintang, 44 良心(マッサージ)2階
ちょっと見つけづらかったけどマッサージ屋が入っている雑居ビル発見。
この紫の看板のホテルが目印にしやすい。
紫看板のがビンタンガーデンホテル。その右側がマッサージ屋の入ってるビル。セブンイレブンの上。
たむろする男どもを目印に…ならんか。
エレベーターで上がる。
ちょっと怯むボロエレベーター
扉開いたらすぐ受付。キレイでホッとした。
メニューを選ぶ。
足つぼは付けずボディのみ45分。2000円ぐらいだったと思う。
広い。そしてガラガラ。
渡されるパジャマ的な服に着替えて待っているとマッサージ師がやってきた。
夫には女性マッサージ師、わたしには男性マッサージ師。いや、逆で良くない?
男が単独で来てたら女性の方が喜ばれるかもしれないけど、女はきっと女性の方が良いでしょう。
わたしはガチガチの背中なので、力さえ弱くなければ誰でもいいけど、ちょっと意外なマッサージ師配置。
「力強い方(男)に当たったからいいけど、夫は非力な女性か、残念。いひひ」と思っていた。この時は。
***
マッサージ開始。30秒以内でわかった。
「あなた、マッサージ下手ですね?」
隣の夫は目を瞑って動かない。
くそ、わたしの方がハズレか?この力任せ感…こいつめ…この独りよがり感は絶対恋愛も苦手なはず…とか色々こっそり思っているわたしの背中をグイグイ押すマッサージ師。ちょっとツボ外してるぅ。
勝手に下着のホック外すなよ。で、ちょっとマッサージする度に背中をパーン!とやるのは何?
テレビに出てくるホストが客のタバコにライターで火をつける時の無駄な動きというのか…
郷ひろみのジャケットパフォーマンスの無駄な動きというのか…あれは無駄じゃないか。
ああ、パソコンのキーボードのエンターを無闇に「ッターーーン!!」って叩きまくるヤツみたいな動きか。
わたしの背中をちょっとだけグイグイ。そして激しく「パーン!」グイグイ「パーン!」グイグイ「パーン!」
…エンターやめろ。
なんとなく気持ちいい時もあるけど、なんだか微妙…と思いながら今度は仰向け。
頭皮グイグイ。髪の毛ワシャワシャ。頭皮グイグイ。顔グイグイ。いや、化粧取れるし、わたしの汚い頭皮触った後そのままの手で顔はやめてー!そして頭にもエンター!「ッターーーン!」ガサツかよー!
そして今度は起きて座れと。
腕を掴まれ、腰を起点に300度ぐらい回転させられ、頭も回転。髪の毛も回転。歌舞伎か。
この時、モジャモジャの落武者のようになった髪の毛の中に埋もれたわたしの顔は完全に笑ってた。
声を出さないように注意して笑ってた。
何のマッサージだよ。この動きどこも気持ちいいとこないぞ。むしろ腰痛めそう。やめてー!
そして最後にもちろん背中に渾身のエンター。
ッターーーン!
終わりの合図はエンターだったようだ。
してやったりみたいな笑顔で終わりを告げるマッサージ師。
落武者ヘアーで満面の笑みのわたしに一足先に終わって隣で座っていた夫が半笑いでこちらを見ていた。
相当気持ち良かったらしい。クッソ。
エンターされたよ、と告げていると、スタッフが飲み物持って来た。キンキンに冷えたオレンジジュース。マレーシアで1番冷えてるやろ、っていうキンキン具合。
さらにリンゴ、梨、ぶどうを持って来た。多い多い。ちょっと摘むレベルじゃない。
そんなんいいから、エンター師どうにかして。
微妙な気持ちで外へ出て、夜ご飯へ向かった。
果物のせいでお腹も空いてないけど。