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チュニジア旅行記13 | day4-1 世界遺産ケロアン!行き方と見どころ

チュニジア ケロアン 個人旅行 世界遺産

正月休みのチュニジア旅行、4日目!

現地のツアー会社を利用してケロアン(カイルアン)、スース、エルジェムを巡った。

ケロアンでは美しい霊廟を見たし、活気あるメディナを散策でき、エル・ジェムでは素晴らしい円形闘技場をじっくり見学して感動。

個人ツアーなので要望をできるだけ叶えてもらえたし、効率よく、見どころをしっかりと見学できて大満足。

1日で3都市周遊

周遊方法

日本語ガイドとドライバーを各1名お願いして、チュニスのホテル発着、日帰りツアーに連れて行ってもらった。

団体ツアーは苦手なので個人ツアー。

スケジュール

7:00 ホテルにお迎え・乗用車でチュニスを出発

9:00 イスラムの聖地 ケロアンを観光

   グランド・モスク、シディ・サハブ霊廟、アグラブ朝の貯水池を見学

10:30 ケロアンを出発、エル・ジェムへ

12:00 世界遺産エル・ジェムの円形闘技場を見学

13:00 エル・ジェムでランチ

14:00 エルジェムを出発、スースへ

15:00 地中海リゾート地、スースを観光

    世界遺産スースの旧市街散策、旧市街最古の建築物リバト見学

16:00 スースを出発、チュニスへ

18:00 ホテルに到着

 

状況に応じて少し順序が入れ替わったりの変更はあった。

またスケジュールにある場所以外も時間が許す限りは散策させてもらい、帰りもホテルではなく、ホテルの近くにあるスーパー(カルフール)まで送ってもらった。

周遊ルート地図

Aチュニス→Bケロアン→Cエル・ジェム→Dスース→チュニス※

※地図ではスースからチュニスを省略

 

移動距離約410km

自力でも頑張れば巡れるけどおそらく1日でここまで見て周るのは無理。

ツアーを選んだのは以下の理由から。

ツアーを選んだ理由

1)限られた時間を効率よく使える

チュニスからドゥッガなど、1か所だけ往復するなら自力でも何とかなるけど、複数都市を1日で巡るとなると、道に迷ったり、バスに乗り遅れたり、ちょっとしたトラブルが1日の予定を大きく狂わせてしまって予定通り巡りきれない可能性が上がる。

 

特にチュニジアでは、ルアージュやバスなどでその都市まで行っても、観光スポットまでどれくらい時間がかかるのか&移動方法について事前に得られる情報が少ない。

 

時間に余裕があるなら、苦労しながら辿り着く旅行もいいかもしれないけど、あまり時間がない私たちはツアーで効率よく周ることにした。実際、1日で余すことなく見て周れて良かった。

 

2)安心してゆったり過ごせる

バス停を探して慌てたり、チケットを買うのに苦労したり、乗り換えで失敗したり、ということを避けてラクをすることにした。

おかげで移動中は安心して熟睡し、常に元気いっぱいで観光できた。

 

3)疑問をすぐに解決できる

ガイドさんがいると、見どころの解説が聞けて、更にちょっとした素朴な疑問もすぐ聞けることが良いところ。

ガイドブックなどに載っていないような街中で「なんだ?」と思うこともすぐに聞けるし、日々の生活の話も聞けて良かった。

世界遺産都市 ケロアンへ!

7:00 チュニスのホテル出発

9:00 世界遺産都市ケロアン(カイルアン・Kairouan)到着

スケジュールでは1.5時間後には次の都市へ向かうことになっている。

満喫するぞー!

ところでケロアンはどんな都市?

チュニジア ケロアン 個人旅行 世界遺産

ケロアンはチュニジアの都市で1988年に世界遺産に登録された。

周囲をオリーブ畑に囲まれた内陸部に位置する。2003年時点で、15万人が暮らす。

首都チュニスの南160kmにある。

車内で寝ていたらすぐ着いた、という感覚の距離感。チュニスとケロアンを往復するだけなら、ツアーじゃなくて自力でも十分行けそう(いや、知らんけど)。

 

歴史のある都市なので、その歴史を抜きにして語るのは難しい。

でも興味がない人には堅苦しい話かもしれないので読み飛ばしてもらえればと思う。

 

北アフリカにおけるイスラム発祥の地で、670年頃からマグレブ征服(アラブ化)の目的で建設されるまではビザンチン支配下にあった。 

名前は"キャンプ","キャラバン","休憩場所"を意味するアラビア語のkairuwân, ペルシア語でのKâravânに由来する。

 

マグレブ(北アフリカ)でもっとも壮麗なシディ・サハブ霊廟、最古のモスクのシディ・ウクバ・モスク、アグラブ朝の貯水池などの見所がある。

 

ケロアンはカーペットの産地でもあり、街を歩いているとカーペットの工房がところどころにある。

聖地としてのケロアン

ケロアンはアグラブ朝(※1)(9世紀)、ファティマ朝(※2)(10世紀)、ジール朝(11世紀)と歴代アラブ王朝の首都として栄えた。

 

イスラム世界、特にスンニ派にとってはメッカ、メディナ、エルサレムに次いで4番目に重要な聖都。シーア派にとっての重要度はどのくらいなんだろう?

  

アグラブ朝時代には、マグレブで初めのイスラム寺院、グランドモスクも建設された。1057年にファティマ朝がベドウィン(※3)を扇動し、この地方を侵略させ、町は破壊される。その後、栄華が戻ることはなかった。

その後、地中海岸のオスマン朝支配によってチュニスが首都として新設される。現在も首都はチュニスで、ケロアンは田舎町、という印象。

 

地中海沿岸都市と比べて内陸部の都市は交易で活用されづらく、他の都市の発展に追いつくことが難しかったのかもしれない(私の想像)。

 

しかし、現在でも聖地としての役割は変わっていない。

ケロアンへの7回の巡礼はメッカへの1度の巡礼に値するとまで言われる。

グランドモスクには今もマグレブ諸国から巡礼者が訪れる。

 

1881年に、フランス軍に占領されて、それ以降はムスリム(イスラム教徒)以外でもこの街に入ることができるようになった。

おかげで私たちも観光できる。

 

※1 アグラブ朝は(Aghalabid Dynasty、アラビア語: الأغالبة 、800年 - 909年)はアッバース朝支配下で現在のチュニジア地方の支配を認められたアグラブ王国(The Aghalabid kingdom)の王朝。国教はイスラーム教スンニ派。グランドモスクを建設。このモスクによってケロアンは「天国への第4の門」と称された。

 

※2 ファティマ朝(阿: الخلافة الفاطمية)は、シーア派の一派、イスマーイール派が建国したイスラム王朝(909年 - 1171年)

 

※3 ベドウィンとは、アラビア語の badawī (بدوي) からくる、砂漠の住人を指す一般名詞で、普通アラブの遊牧民族に対して使う。

かっこい~

ケロアン名物

グランドモスク、シディ・サハブ霊廟、アグラブ朝の貯水池、シディ・アビド・エルガリアーニ霊廟、シディ・アモール・アバダ霊廟

・・・観光案内所でこの5つの施設の共通券を購入できる(1日有効・12TND)

 

マクルード(お菓子)、キョフテジ(肉料理)

 (マクルード、メディナで買って食べた!ホテルの朝食で食べたマクルードより美味しかった!)

ケロアンへの行き方

ケロアンへは鉄道が走っていない。公共交通機関を使うとすれば各地からバスまたはルアージュで行くのが一般的。

主要都市からは国営バスSntriが運行している。チュニスからの所要時間は、約2.5時間。朝9時台までなら運行本数が多め。チュニス(南バスステーション)から。

運賃は約9.5TND(400円以下くらい)

私たちは時間を効率的に使いたかったので1日ガイドとドライバーを雇ったので実際には使っていない。

ルアージュはたまたますぐ出るタイミングなら所要時間が短く済む可能性が高い点は良いけど、出発時間が定まっていないので計画が立てづらい。

 

▼Sntriでチュニスからケロアンに行く場合に利用するバスステーションはこちら

南バスステーション=Gare Routiere Sud

基本的には時間通りに出発すると思う。

ドゥッガへ行くときは北バスステーションからSntriのバスに乗ったが、時間通りの出発&到着だった。

 

 時刻表(一部)

チュニジア ケロアン 個人旅行 世界遺産

 

上記以外の時間帯もSntriのHPから時刻表を検索できる

Horaires des bus interurbain 

見どころ1:アグラビ朝時代の貯水池

Basins of Aghlabides فسقية الأغالبة

所在地:Avenue de la République, Kairouan, チュニジア

 

メディナから少し北にいったところにある貯水池(徒歩圏内)。

中世時代の最高技術をもって作られ、ケロアンの街を支えた。

現在は大きいものが2つ、小さいものが2つの計4つが残っているが、当時は14の貯水池があった。

 

水は、昔も今も人の生活に絶対必要で文明の発展や都市の継続性も水の有無によって決まる。清潔な水があるか否かで人の健康と生死が大きく左右される。

ロシアでは灌漑農業でウラル海が干上がって町が消えたり・・・。今現在も水の権利を巡ってインド、チベット、パキスタン、ミャンマー、バングラデシュなどで争いが起こっている。

貯水池は見た目は地味だけど、都市の発展に欠かせない重要な施設だ。

 

貯水池の水はケロアンの西36kmにある丘の上から水道で運ばれて、最初に小型の上水用貯水池に入り、そのあと大型貯水池へ流される仕組みだった。

1969年に修復されたのが今の姿。今現在もケロアンの重要な水源。

 

今も使われてるなんてすごい!

 

観光案内所の屋上から見ると貯水池を見渡すことができる。

 

▼観光案内所

チュニジア ケロアン 個人旅行 世界遺産

 

 

観光案内所から見たアグラブ朝の貯水池 

チュニジア ケロアン 個人旅行 世界遺産

朝9時ちょうどくらいに到着。団体の観光客が来てゆっくり見づらいらしい。

本当は別の場所を見てから来る予定だったけど、ちょうど人がいなかったので先に見ることに。

1番乗り(なのかも)!

 

建物の中の階段を上がって屋上へ。

チュニジア ケロアン 個人旅行 世界遺産

でかー。奥に小さいのが見える。

チュニジア ケロアン 個人旅行 世界遺産
チュニジア ケロアン 個人旅行 世界遺産

水のあれこれに思いを馳せたあとは、さほどすることもない場所なので、早々に退散する。入れ替わりでアジア人の団体客がやってきた(たぶん中国人?)

観光案内所にはトイレとカフェ、ショップがある。トイレだけ借りて、次の場所へ。日本人の感覚で使いやすいトイレは多くないので、これはいける!と思った時には便意が無くても行っておいた方がいい。

観光案内所の開館時間

チュニジア ケロアン 個人旅行 世界遺産

■冬季:9月16日~4月30日 平日8:00~17:00 / 土日8:00~15:00

■夏季:5月1日~9月15日 平日7:30~14:00 / 土日8:00~14:00

■ラマダンの時:8:00~14:00

■金曜日は13:00に閉館

見どころ2:マグレブ地区で最も美しいと言われるシディ・サハブ霊廟へ

基本情報

所在地:Avenue de La République, Kairouan, チュニジア(شارع الجمهورية، القيروان)

TEL:+21677227589

goo.gl

どんな場所か

7世紀に創設された。

655年、ビザンチン軍との戦い中に亡くなった、アブ・ザマエル・ヴェラウィ、という人が祀られた霊廟。彼は預言者ムハンマドの同士で専属の床屋でもあったと言われている。霊廟はシンプルなドーム型。

17世紀(1663年)にモスクと神学校などが増築されて現在の姿になった。

 

チュニジア ケロアン 個人旅行 世界遺産 シディ・サハブ

① 中庭 ② パシャのアパートメント ③前庭

④Zaouia=神学校 ⑤モスク

 

イスラム教徒以外は、霊廟自体の中には入れないけど、途中の建物は見学できる。

建物はイベリア半島のアラブ人が携わったそうで、トルコ、アンダルシア、イタリアの影響を受けている。美しいの白い漆喰の透かし彫りとタイルが特徴的。

 

結婚と割礼の儀式も行われる。

見学するときの服装

モスクなどを見学するときに、髪の毛を隠したりせず、そのままの服装で大丈夫だった。(夏は気を遣うべきかと思う)

  

▲こんな感じ。黒づくめでよくわからないけど、わたしは黒のフーディーと黒パンツにアウター、帽子なし。夫はデニムパンツとアウター、ニットキャップ。

いざ、中を見学!

貯水池を見た5分後には到着。車で3分、徒歩だと10数分の距離。

 

チュニジア ケロアン カイルアン シディ・サハブ 世界遺産

殺風景な雰囲気。ミナレットもアンダルシア式の四角形。

 

チュニジア ケロアン 個人旅行 世界遺産 シディ・サハブ

タイルが可愛い。

 

チュニジア ケロアン 個人旅行 世界遺産 シディ・サハブ
チュニジア ケロアン 個人旅行 世界遺産 シディ・サハブ

白い透かし彫りとカラフルなタイルのコントラストが綺麗。

 

チュニジア ケロアン 個人旅行 世界遺産 シディ・サハブ
チュニジア ケロアン 個人旅行 世界遺産 シディ・サハブ

綺麗~

 

チュニジア ケロアン 個人旅行 世界遺産 シディ・サハブ

 

チュニジア ケロアン 個人旅行 世界遺産 シディ・サハブ

建物の上に白いドームが見えているところが霊廟の場所。

 

チュニジア ケロアン 個人旅行 世界遺産 シディ・サハブ

イスラム教徒しか中へは入れない。

入口のサイドにあるタイルが綺麗。

 

チュニジア ケロアン 個人旅行 世界遺産 シディ・サハブ

 

チュニジア ケロアン 個人旅行 世界遺産 シディ・サハブ

朝早く(9:00頃)に来たせいか、他の観光客は全くいなかった。

静かな雰囲気で見学できてよかった。

 

***

 

1つの記事にケロアンの見どころをすべて詰め込もうと思ったけど、あまりに長くなるので分割します。

次の記事は、北アフリカ最古のモスク グランドモスクについて

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