ロドス島はギリシャで最も美しくて人気がある島。
中世の街並、美しい景色、真っ青で透明度の高い海と綺麗なビーチがロドス島の魅力。
日本人にはそれほどメジャーな観光地ではないけど、
毎年世界中から大勢の観光客が訪れている。
聖ヨハネ騎士団のグランドマスターの宮殿や騎士の道がある旧市街は
世界遺産に認定されているし、
マンドラキ港、ヒポクラテススクエアもロドス島の最も重要なスポット。
島を車で移動すればリンドスのアクロポリスや、沢山のビーチなど見どころは尽きない。
この記事では聖ヨハネ騎士団の“グランドマスターの宮殿(以降、騎士団長の館)”を紹介する。
ロドス島の城塞都市
ビザンチン帝国時代に築かれた都市を聖ヨハネ騎士団が14世紀~15世紀にかけて拡張、要塞化した。
オスマン帝国に征服された1522年以降もこれらの要塞の防衛設備、城壁は保持されて今もなお修復されながら現存している。
騎士団長の館
元々は都市の軍事拠点だった建物。
1309年以降、聖ヨハネ騎士団の団長邸宅兼行政府となった。
オスマン帝国の征服後は監獄として使われた。
1856年に事故で崩落し、現存している建物は1937年に再建されたものではあるが、ロドス島の主要な観光名所である。
基本情報
正式名称:Παλάτι του Μεγάλου Μαγίστρου των Ιπποτών της Ρόδου
Palace of the Grand Master of the Knights of Rhodes
所在地:Ippoton, Rodos 851 00 ギリシャ(Ιπποτών, Ρόδος 851 00)
TEL:+30 2241 365270
営業時間:8:00-20:00
入場料:€6
大前提:聖ヨハネ騎士団とは
ヨハネ騎士団は簡単に言うと、聖地エルサレムのキリスト教徒巡礼者の治療や、
異教徒(=イスラム教徒)に奴隷にされていたキリスト教徒奪還、
ついでにイスラム教徒への海賊行為をしていた宗教騎士団。
オスマン帝国のスレイマン大帝に攻め落とされてロドス島を去ったものの現在も存在するレアな存在。
塩野七生さんのロードス島攻防記を読むと詳しく知れる。
最高に面白い本なのでおすすめ。
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ロドス島の観光リーフレットにある紹介文
"グランドマスターの宮殿は騎士が治世していた時期の重要な史跡。
モザイクの床、中世の家具、絵画、当時のままの装飾の壮大な建物が見られる。
1階には「Thodes from the Early Christian period to the Turkish conquest(1522)」が常設展示されている。”
いざ、聖ヨハネ騎士団長の館へ
バラの咲き誇る島と言われたロドス島。
現在はバラは見当たらないけど綺麗な花と豊かな緑の隙間から見える中世の建物。
城壁!
各国(スペイン、フランス、ドイツ、イタリア、イングランド、ポルトガル)の騎士が住んでいた館が並びたつ騎士通り(Street of the Knights of Rhodes)を通り抜けると・・
どどん!騎士団長の館への門が!
ずっと見たかったロドス島の歴史的な建物!
ワクワクしながら門を通り抜ける。
めちゃくちゃでかい!
左に目をやると・・・
めちゃくちゃ敷地が広い!
ちなみにこの敷地を突っ切って真ん中の扉を出ると、
オスマン帝国の地雷&大砲攻撃を5か月耐え忍んだ知恵と技術の結晶である城壁に出られる。
最も厳しい重労働は奴隷にされたムスリムらしいから、城壁もムスリムの力あってこそなのかも。
チケット売り場
入館するためのチケットを買うための行列。
結構な人数が並んでいてギョッとしたが、もちろん私たちも並んだ。
この時はお昼前だったので、かなりきつい日差しの中じっと耐えながら。
今後行く人は朝イチで並ぶのがお勧め。
チケット売り場では各国の観光客の相手を係員で2~3名で対応している。
グランドマスターの館だけで入館料6ユーロだけど、
以下の4つの場所の入館料がセットになったチケットもある(10ユーロ)
・The Palace of the Grand Master(グランドマスターの宮殿=騎士団長の館)
・ロドス考古学博物館(=元は騎士団病院だった建物)
・Decorative Arts Collection
・Panagia Tou Kastrou(Our Lady of the Castele)
私たちはこのチケット+城壁の入場チケット(2ユーロ)を合わせて購入。
入場してからチケット売り場側を見た景色。
自動改札機があるけど、係員の人にチケットを見せれば入れる。
正面はこんな感じ
わくわく
騎士団長の館 内部
まずは正面をざっと見渡すだけ見渡して、チケット売り場の隣から入場。
ここを騎士団長や騎士たち、そして城壁の技師マルティネンゴらが歩き回っていたと思うと凄まじい。想像が広がる。
小さい教会みたいなのが中にある。さすが宗教騎士団。
天井を見上げると紋章!
ここだけじゃなく色んなところに紋章があって興奮。
中世のロドス島マップ。赤い記号のある場所が城塞のあった場所。
ちなみに騎士団長の館がある旧市街は最北端。
武器や防具の展示
大砲!右側の壁にあるのは奴隷をつなぐ鎖と首輪・・・
砲丸
防具(鎧など)
要塞化された城壁=防衛設備の上空からの写真
小さな窓から外を見ると城壁の一部が見える。
大砲(と呼ぶのが正しいのかわからないけど)
キリスト教絵画の展示
庶民が騎士として属すことはできなかった聖ヨハネ騎士団だからこそなのか、はたまた集まるお布施が多かったのか、テンプル騎士団が没収された資産が莫大だったせいなのか、建物や家具など全てにおいて豪華さを感じるけど、宗教絵画でもやはり漂うお金持ち臭。
私はクリスチャンじゃないので、キリストや聖母マリアなどの絵を見ても感じるものが多くないけど、もしもクリスチャンだったらこの沢山の歴史的な遺物を見て何を思うんだろう。
騎士団長の館から見える景色
窓から外を見ると時計台や城壁の一部が見える。
合図を送りあっていたのではないかと思う。
(このあと城壁の上をぐるりと歩いたがどの地点からも騎士団長の館は見えていて、やはり何かあったときはすぐに伝達できるようになっていたのだろうと想像した)
時計台と市街地、海の方向。
発掘されたモザイクの数々
中世の家具
この家具は騎士団長が使っていたのか、単に中世の家具なのかは不明。
椅子のデザインは可愛い。
聖ヨハネ騎士団の服…?ではないような。
その他、いろいろ
ぐるりとまわったあとは、最初にあがってきた階段を降りる。
外から見た騎士団長の館はのっぺりとしていて、
内部があんな風になっているとは全然わからない。
広くて見どころが多いため、じっくり見るとかなり時間がかかる。
時間が限られている場合は優先順位をつけて
時間を管理しながら回ることをお勧めします。
◆あまり遅くまで開いていないので注意が必要◆
(私たちはLady of the Castleを見逃がした)
ロドス島の情報は少なくて日本人には若干馴染みが薄い場所だが、
本当に綺麗で食事も美味しく、ゆったりとした素晴らしい島。
歴史を知ってから行くと面白さ100倍になる最高の場所なので
是非チャンスがあれば行ってみてください。
わたしは次はシチリア島へ行ってみたい!
(聖ヨハネ騎士団がオスマン帝国から逃れた場所)
※誤解なきよう念のため・・・
ヨーロッパの人たちの人気のリゾート地でもあるので、
リゾートを楽しむ目的としても素晴らしい島です。
▼トルコからついでに足を伸ばせるギリシャのリゾート地といえばこちらも
サモス島もお勧め。