正月休みのチュニジア旅行記8
個人旅行でドゥッガ遺跡へ日帰りで行く
チュニスからドゥッガまでの行く方法を事前に考えた
出発前に考えていたのは、下の1or2の案。3の案はカルタゴ遺跡(アントニヌスの共同浴場)に行ったときに、ガイドさせろと声をかけてきたオジサンがいたから一瞬検討しただけ。
- 現地の旅行会社が催行するツアーに参加
- ネットの先人達の情報を参考に自力で行く
- 現地でガイドかドライバーを雇う
1は言語の不自由さや土地勘の無さに起因するトラブルを回避でき、安心で楽なことは最高なのだけど、以下の2つの理由で即決できず。
・決められた時間どおりに行動するのが私は苦手
・1人100数十ユーロは必要で結構高い
そこで2が実行可能か調べ、どうにか行けそうだということがわかったので『自力で行く』案に決定。
ドゥッガへのアクセス
- ホテルを早朝出発
- タクシーでバスターミナル(※)まで移動
- 長距離バスでテブルスーク(Teboursouk・Tabursuq)へ移動
- テブルスークでドゥッガ遺跡へ行けるルアージュ(乗り合いタクシー)を探して移動
※バスターミナル=北バスステーション
上記が私たちの元々の計画。2の北バスステーションの情報についてネットやガイドブックで探しても情報が少なく「たぶんここのことかな?」と想定している場所が正しいか、また4のテブルスークでちゃんとルアージュが探せるかが少し心配だった。観光客にとってバスは電車よりハードルが上がる。
実際はテブルスーク行きのバスに乗ったところまでは計画通りで順調。しかしその後が計画通りに進められずプチトラブル発生。
とはいえ、しっかりドゥッガを堪能してどうにか日帰りでチュニスへ戻ることも出来たので結果オーライ。
実際の行程
プチトラブルも含めて流れを書いていく。
チュニス旧市街のホテルからタクシーで出発
1/3 到着3日目の朝6時ホテルを出発!
もっと早起きできたら早く出発したかったのだけど、前日はバルドー博物館、シディ・ブ・サイドとよく歩き回って疲れていたので翌日の用意もロクにせず寝てしまった。かろうじてスマホやカメラの充電は出来ていたので良かった。5時半過ぎに目覚めて大急ぎでシャワーを浴びて準備をし、ホテルを飛び出した。
まだ空が暗い。寒い。
昼間は車も人も多いBab El Bhar(バブエルバール)前だけど、早朝は全く異なり車も人もほとんどいない。家族連れが1組タクシーを探している様子だったので、少し離れて別の方向から来るタクシーを探す。
タイミング良くタクシーが現れ、すぐに乗れた。
BOLTで呼んだタクシーじゃなく道端でつかまえたのだけど、すんなり行き先を理解してくれて、こちらから何も言わなくてもメーターを付けてくれた。
*チュニジアのタクシードライバーは、カルタゴからの帰り以外はみんな自発的にメーターを付けるし、ぼったくろうとか騙してやろう、という雰囲気は感じなかった。観光客に優しい街。
タクシーをつかまえるコツ
タクシー待ちのゾーンがあるものの、関係なくみんな色んな場所で乗り込むし、列は存在しないため、道端でタイミングを掴んで素早くつかまえて乗らないと他の乗りたい人にすぐに取られてしまい全然乗れないまま時間が経過する。また素早く乗り込まねば後ろの車からクラクションを鳴らしまくられる。滞在2日目には徐々にタイミングがつかめるようになったので、すぐに慣れると思う。
◆重要◆テブルスーク行きのバスに乗れるバスターミナルの場所
このバスターミナルの位置がなかなかネットで見つけられず苦戦したし、当日の朝も合っているのか心配なままだったけど、しっかり辿り着けたので記録しておく。
北バスステーション=Gare Routière Nord
タクシードライバーに地図を見せるか、以下の文字を見てもらえば連れて行ってくれるはず。私たちは地図を見せて連れて行ってもらった。
محطة النقل البري للشمال بباب سعدون
Address:Avenue Habib Bougatfa, Tunis, チュニジア
チュニス旧市街からバスターミナルまでルートと所要時間
旧市街の入口にあるBab El Bharから北バスステーションまでのルートをGoogleマップで事前に調べると所要時間は約15分。タクシー乗車時に再度調べると7分となっていた。日中は混雑しているけど早朝で道が空いているせいだ。(タクシーは大体みんな運転が荒く超高速運転なので道さえ空いていればかなり早く着く)
ドライバーがスマホでGoogle mapをガッツリ見ながら運転するので怖かった。車内のラジオでアザーン(お祈りの声。お経みたいなの。)が流れていて異国情緒たっぷり。
北バスステーションに到着
明らかに街灯の足りていない暗い道をびゅんびゅん進み、真っ暗な場所に到着。
ほんとにココ?
あ、バスいる。合ってそう。
建物の中に入るとチケットカウンターが並んでいて一安心。
開いているカウンターが2つしか無かったのでわかりやすくて良かった。
06:20前に右から2つ目のカウンターでチケット購入。
次は7:00出発なので50分待ちだ。画像右側がレシート。
TUNIS NORD発、TEBOURSOUK着、出発日時2020/1/3 07:00と書かれている。
価格は約6ディナール。約200円。激安。 座席は自由。
利用したバス会社・時刻表・価格
バス会社:Sntri
公式サイト:Horaires des bus interurbain
この公式サイト、英語表記設定にしてもフランス語のままでとても見づらいけど、左側のプルダウンで出発地と到着地を選択すると時刻表を見ることができる。
私たちが乗ったのは7時発のTUNIS-THALAライン、テブルスーク行き。到着予定時間は8:50。所要時間は約2時間だ。
チケットを手に入れて一安心して、周りの様子をチェック。
乗り場はカウンターに向かって左側方向。待っている人がベンチに座っている。
現在の気温は6度。ドゥッガは2度だ。最高気温の予報はチュニスが16度、ドゥッガは12度。実際どのくらいの寒さなのか気にかかる。北バスステーションの中も冷え冷えで、寒いからみんな厚着している。
カウンターの手前にあったカフェでコーヒーを買うことに。10畳もないぐらい狭い店内の注文カウンターにびっしりと男性たちが群がり注文している。頑張って隙間から注文する。
写真右のCafeと書いているところがコーヒーを買ったお店。ちょっとした軽食も売っている。寒くて堪らなかったので熱い飲み物が嬉しい。
が!!激マズ!!飲んだ瞬間、顔が歪む!慣れてくるのかな、と頑張って一口ずつ飲んでみたけど半分でギブアップ。やばすぎる味。美味しいコーヒーとまでは言わない、普通のコーヒーが飲みたい…と嘆く。
北バスステーションの周りをうろついたりして暇つぶし。
長距離バスに乗車
Lignes SNTRIという表示を発見。座っている女性たちは布でくるくる重ね巻き。暖かいのかな。
そのまま扉の外に出てみる。
列も何もないけど、ここで待ってたらバスが来るんだろうか。順番待ちの列を作らない国だと、人を押しのけて乗り込まないと何時間も立ちっぱなしになってしまったり、なんなら乗るのを断られたりすることもあるので、「もしかして素早く乗らないといけないパターン?」と心配になって、できるだけ遅れをとらないように、周りの人の動きを注意深く見ていた。
Sntriの文字の入ったバスが見える。そのうち、バスに何人か歩いて行き始めた。もしかしてもう乗れる?と、試しに付いて行ってみたら乗ることが出来た。
全然押しのけて席を奪い合う感じではなかったので、己を少し恥じた。
バスは外から見るとボロさを感じるけど、中は全然汚くはない。前後の座席間隔が狭くてやや圧迫感と足もとの狭さは感じる。約100kmも移動できて200円でこの綺麗さなのだから文句などない。
理由はわからないけど、座席は前からどんどん埋まっていく。後ろに空席があっても他人同士で隣に座ってでも前にみんな座りたがる。
バスの中もとても寒い。リュックから念のため持っていたウルトラライトダウンを取りだして、ひざ掛けにすると凄くポカポカする。ユニクロ様、ありがとうございます。
テブルスークに向かって出発!
日が昇ってから時折カーテンの隙間から風景を確認。寝ている人が多く、カーテンを開けると日差しがまぶしすぎるので基本的にはずっと閉めて過ごす。
日本とは全然違う風景をぼんやり眺める。
誤算。降りる場所がわからない
テブルスークの街の中でも複数スポットで小刻みに停車することがわかった。
ドゥッガに行くなら一体どこで降りればいいの!?もしかしてテブルスークっていうバス停は無いの?どこで降りても自由なんですか??
Google mapでドゥッガ遺跡と自分の現在地の距離感を確認しながら、降りる場所を見計らう。
予定到着時刻の8:50。今までで一番栄えている雰囲気のスポットに停車。ルアージュも複数台近くに停まっているのが窓から見えて、更にネットで見た写真と似ていたため、「十中八九、ここっぽい!」と思ったのだけど、ドライバーに夫が聞きに行ったところ「ドゥッガならまだだ」と言われて戻ってきた。ほんとに!?
途中から乗ってきた唯一の日本人二人組の方が「ドゥッガ、まだみたいですよ」と言ってくれたので、安心した・・・のもつかの間、どんどん建物が無くなり、明らかに街から離れて行っている。ヤバイ・・・
ドライバーから「ここだぞ!」と降ろされた場所。
オリーブの木きれいに並んでる!そんなことより何にもないやんけ!絶対さっきの場所で降りるべきだった!!!
まじかよ。
Google mapで位置を確認。ドゥッガ遺跡まで2.5kmの位置だった。
確かに、歩けなくはないからドライバーさん的にはココが最寄りの場所なんだと思う。けど、そこそこ遠いし日差しもキツイ。さっきの場所に戻るのも徒歩ではかなり遠い。どうしよう。
共に下車していた日本人の2人組の方たちは諦めて歩くと言っていなくなった。私たちは歩く決意をかためきれず、少し離れた場所に謎にポツンとある何かカフェ?みたいに見えるところへ行ってみた。
ルアージュ!
交渉成立。ルアージュでドゥッガ遺跡へ
ドライバーさんらしき人に、ドゥッガへ行きたい旨を伝えて交渉。帰りも迎えに来てもらわねばならないので往復運賃&迎えの時間の約束をして価格を決定。
ドライバーさんは英語は全くNG。わたしたちはフランス語が話せない。数字はかろうじて伝え合えるけど、間違えると帰れなくなる地獄にハマることになるから絶対に正確に伝えなくちゃいけない。
なので、紙に急いで書いて見せた。「13:30に迎えに来てテブルスークに乗せて行ってほしい」と伝えたかった。文法とかは間違えていると思うけど伝わった。
往復で25チュニジアディナール。かなりの短距離にしては相当いい値段だとは思うけど、ちゃんと迎えにきてもらわないといけないし、これで交渉成立。
すると、ルアージュに元々乗って出発を待っていた数名が降ろされてしまった。なかなか不服そうな顔で降りる人たち。別の場所に行く予定だったのに私たちのせいで降ろされてしまったようだ。すみませんすみません。
しゅっぱーつ!外眩しいな~。車って最高。一気に天国。
この距離歩くのはきついなーという感じだった。最高、車。
一瞬で到着した。
本来、半額程度の前払いをすべきところだけど、細かい現金がなくて5チュニジアディナールだけ渡す夫。泣きそうな顔で「なんで!少ないよ!」と訴えるおじさん。なんて切ない顔なんだ。
残りは帰りに絶対払うよ、と伝えようと頑張っていたら、ドゥッガ遺跡の入口のスタッフの人が近づいてきて(英語がわかる人だった)私たちとドライバーさんの通訳をしてくれたおかげで、なんとかドライバーさんは納得してくれた。
ドライバーさんの電話番号を伝えられ、「迎えに来るから電話してね!」と切ない顔で何度も念を押された。騙したりしないから安心して!
ちなみにこれは迎えに来た時のおじさん。よく見ると笑顔が光っている。
助かりました。ありがとう。
次は遂に待ち望んでいたドゥッガ遺跡見学!
世界遺産マークが入り口に。
やってきたよ!ヌミディア王国!