あなたの旅をよりドラマティックに。
読んでいると飢えて凍える本を2冊、
冬に北半球で旅行をするなら是非。
タビィ夫の好みで紹介。
ザ・ロード
コーマック・マッカーシー
- 作者: コーマック・マッカーシー,黒原敏行
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/05/30
- メディア: 文庫
- 購入: 11人 クリック: 54回
- この商品を含むブログ (67件) を見る
北米が舞台。なんらかの原因で国は解体し、世界は寒冷化と飢餓にさいなまれている。燃料もない。父と小さな息子は寄り添いながら南に向かう。現代の延長が舞台だからか、書き手の力量か、読んでいるとリアルな情景が頭に浮かび、まるで父子とともに旅をしているような感覚に捉われる。暖を、食料を、安全を、希望を探し、息子を守り息子に守られる。
辛いが最後に希望をにおわせる。
コーミックマッカーシーといえば血と暴力の国(no country for old man)が映画になって流行りました(追手役の迫力がヤバい)が、ザ・ロードも映画化されています。
Prime対象ではないのが残念ですが、映画ではヴィゴ・モーテンセンがパパしてます。けっこう原作の雰囲気を忠実に映画再現しているため、レビューの評価も割れております。
私が読んだときはハードカバーで、この表紙は素晴らしいです。人工物の残る荒涼とした光景。
Kindle化したら再読のために買うんですが。
Godspeed you! Black emperor のBGMがすごく合います。
Godspeed You! Black Emperor - F#A#∞ (1998)
初期のMogwaiとかも
世界最悪の旅
アプスレイ チェリー・ガラード
- 作者: アプスレイチェリー・ガラード,Apsley Cherry‐Garrard,加納一郎
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2002/12/01
- メディア: 文庫
- 購入: 3人 クリック: 25回
- この商品を含むブログ (14件) を見る
アムンゼンとスコット。南極点到達を目指し、結末はよく知られているわけです。昔、青少年科学館のプラネタリウム番組でアムンゼン冒険譚を見てロマンあふれる旅路をそこに感じたのですが、スコット隊は軍人であり科学者集団であり、調査だった。
だから日誌も詳細に記されている。
極寒地で必要な膨大なカロリーとか、中継地の設定。人間を意にかけないブリザード、隊員が脱落していく様子。
過酷だけれど、誇りに胸うたれる話でもあります。
「私はこの冒険を悔いない。危険を侵したことは知っているが、物事にさえぎられたまでだ。私は満足している。良い人生だった」。
私はこの本、なぜか出版社違いで2冊購入してしまいました。
なんせ寒いのはツラい・・・